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相続のあれこれ「相続手続き」

相続の手続きの概要について知っておきましょう!

 人生の中で自分の親の「相続の手続き」をすることは、あっても4回くらいなのかなぁと思います。ちゃんとやらなくてはいけないですが、普通のお仕事の方が「相続の手続き」を事前に勉強していることはあまりありませんし、経験する回数から「相続の手続き」についてそこまで真剣に時間をとる方もいないかと思います。とはいえ、時間制限のある「相続の手続き」もあります。お通夜、告別式とあっという間に過ぎ去っていきますが落ち着く暇もなく進めないと終わらないのが、「相続の手続き」ですので今回はその概要をお話させていただきます。

1.ご逝去からご葬儀まで

 病院で亡くなりになった場合、警察の検視(事件性がないかの確認)が不要な方は霊安室に運ばれます。そこからは無情に思えますが、病人ではないので早く退院するように看護士さんからお願いされます。何時であろうと相続人は葬儀社へ電話します。ただ、前もって葬儀社を決めていたり前回も付き合いがあるとか分からないと、なんとなくネットで検索してたいした比較検討もできずに依頼することになります。気になる方は今のうちに検索してみてください。地域や風習によって様々ですので確認しといた方が無難です。
 病院で亡くなった場合、「死亡診断書(警察が関与した場合は死体検案書)」が発行されますので、大事に保管願います。いろいろな手続きで使用するので、最初に死亡届を提出して火葬許可証の取得する葬儀社さんがコピーして複数用意してくれます。「死亡診断書」は生命保険の請求や年金手続き等で使用します。
 ご自宅または葬儀社へご遺体を搬送したあとは、葬儀社との葬儀までの打ち合わせです。日程、参列者の予想、規模と金額、お寺さんの手配等を決定していきます。火葬場の受け入れ状況によって日程が決まります。ご逝去から葬儀まで3日から7日くらいで日程で完了させるのでとても慌ただしいものになります。火葬のあとは火葬許可証に押印されますので埋葬のときまで保管します。

2.葬儀完了から49日くらいまでに行う手続き

 葬儀後すみやかに行う手続き手続きとしては、次のようなものがあります。
①被相続人の住所地の市役所(14日以内)
 世帯主変更届、介護保険資格喪失届、印鑑カードの返納等
②年金事務所(10日以内となってますが混雑しているので電話連絡をします)
 年金受給権者死亡届、加給年金額対象者不該当届等
③健康保険組合等(14日以内)
 健康保険の資格喪失届
④警察署、旅券事務所(すみやかに)
 運転免許証、パスポート
⑤各種の手続き(すみやかに)
 公共料金、電話等の引き落とし口座の切り替え
⑥葬儀費用の支払
 相続人が葬儀費用の手持ちがない場合、故人の除籍謄本、死亡診断の写し、相続人の戸籍、葬儀費用の請求書、故人の通帳等を持参することによって金額の制限はありますが、故人の銀行口座から引き出すことができます
⑦故人の準確定申告(4ヶ月以内)
 死亡日までの確定申告をする。収入が年金程度であれば省略される方が多いです。
⑧相続税の申告と納税(10ヶ月以内)
 故人の住所地を管轄する税務署に納税までする。遺産争いがあっても法定相続分で納税し、解決後修正申告します。

 税金の申告以外は、特に遅延した場合の罰則はありません。

3.相続の手続きで必要な書類

 「相続の手続き」には、共通して仕様する書類がありますので列挙してみます。
①「戸籍謄本等」
 戸籍謄本等とは登録された本籍地で結婚・離婚、養子縁組・離縁等の家族関係が記載され、現在の戸籍の全部事項証明書、そのもとになった改正原戸籍謄本、誰も生存者がいなくなった除籍謄本をいいます。民法上、戸籍謄本等で家族関係を証明しますので、「認知」の記載があれば子供ですし、「離婚」していれば相続人ではありません。故人(被相続人)の死亡日以降から出生日以前に作成された戸籍謄本等を全て取得することによってその証明となります。古いものになれば明治時代のものまで遡ります。また、相続人の戸籍の全部事項証明書を取得して生存を証明します。
②「住民票等」
 相続人の住所を証明する書類として住民票があります。故人は死亡によって住民票から除かれているので住民票の除票が必要となります。戸籍の付票(除付票)という、住所変更を市役所で行うと本籍地の市役所へ通知され戸籍と一緒に保管される書類も住所を証明する書類となります。
③「印鑑証明書」
 住民登録をした市役所に氏名の記載ある印鑑を登録することができます。15才くらいから登録することができます。金融機関や遺産分割協議書に添付します。金融機関へは取得6ヶ月以内という期限の設定がありますが、相続の登記する場合には期限はありませんので、故人が死亡してから期間が5年経っていてもその印鑑証明書を使用して登記申請することができます。
④「遺産分割協議書」「遺言書」
 遺言書がない場合は相続人全員の合意を記載した遺産分割協議書を作成することによって相続財産の処分方法を決定することができます。遺産分割協議書を提出することによって金融機関や法務局への合意の証明になります。遺言書がある場合は遺言書が優先します。

以上の書類が主だったものになりますが、戸籍謄本等の取得はとても煩雑な場合が多く専門家(司法書士、行政書士等)に依頼される方が多いです。また、遺産分割協議書は法的内容が記載されていないと金融機関等から差し戻されることもありますので専門家に相談した方がいいケースが多いです。

4.金融機関や法務局、生命保険等の手続き

 実際に「相続の手続き」はどのように行うのか列挙してます。
①金融機関
 銀行等の相続手続き窓口があれば予約してください。持ち物は予約時に案内されたり自宅に郵送されたりします。基本的には前項の書類を持参して受付となります。ゆうちょ銀行は受付された後に銀行提出用の書類が届きますので2回手続きするイメージです。不備なく受付されれば7日~14日くらいで指定口座に振り込まれます。預金通帳は名義変更では解約となります。
②証券会社
 投資信託など証券会社の手続きは基本的に郵送での手続きとなりますが、受取人の証券口座がないと受け取れないので口座開設も同時におこないます。解約もできますが承継される会社が大半なので換金する場合は承継してから行います。株式は勤めた会社の持ち株等もあるので所在が不明なときもあります。
③法務局
 不動産を所有している場合は、相続登記をしないと名義変更できません。登記の申請は、司法書士に頼みます。手続きが完了すると新しい権利証として「登記識別情報通知」が発行されます。手続きが完了してないと不動産を売却したり担保に差し入れることはできません。また、相続登記が2024年4月1日より義務化されるので注意が必要です。
④生命保険等
 死亡保険金の受取は、故人の除籍謄本や死亡診断書の写しや保険によってはあらためて所定の医師の診断書を提出することによってすみやかに給付されます。火災保険であっても農協の建物更生共済は貯蓄性があり金融資産と同じ手続きで承継・解約する保険もあります。生命保険は保険の担当者に連絡するとすみやかに対応してくれると思います。

 なかなか自分だけで手続きを完了させるには難しいものもありますね。

5.まとめ

 理屈がわかっていれば自分だけで「相続手続き」を完了させる方もたくさんいます。しかし、役所も金融機関も平日の日中しか開いてません。1箇所だけなら半休くらいでいけるかもしれませんが、多数になると1日休んだだけでは完了しないことが多いです。不備があれば再訪しないといけない事例もあります。ただ、窓口の手続きであれば担当者がアテンドしてくれてすみやかに完了できるように対応してくれると思います。その前提となる書類収集や不動産登記を司法書士等に依頼してあれば書類の不備は回避できるので、相続手続きが発生したら司法書士のいるウィズグローバルに相談してみてください。